【ブログ】実務では専門雑誌も調べます。

ご依頼していただいた相続手続きが終了しました。

今回は遺言書の内容に基づき不動産の売却し、その売却代金を相続人に相続させるというものでした。
諸事情があり、タイムスケジュールが厳しく、補正(少しのミスを修正する手続き)が許されなかったので、無事に終了して、安心しています。

登記実務では不動産登記法等の条文だけではなく、法務省が出した先例や登記研究といった専門雑誌上での質疑応答も調べたり、それでも分からない場合は管轄法務局に事前相談したりしながら取り組んでいます。
今回の相続手続きで調べた内容は以下のとおりです。

(登記研究 243号)
「遺言執行者は不動産を売却してその代金を相続人に分配すること」とある遺言に基づき、遺言執行者が不動産を売却して買主名義に所有権移転の登記を申請する場合、その前提として相続による所有権移転登記をしなければならない。

(昭和45年10月5日民事甲第4160号民事局長回答)
遺言執行者は管理処分権に基づき単独で被相続人から相続人への相続登記が可能。

(不動産登記規則62条1項1号)
遺言執行者が清算型遺言の執行のため、単独で相続登記を申請した場合でも登記識別情報は相続人の法定代理人として遺言執行者に通知される。
※ある文献によれば、各法務局により取扱いが異なるとの記載を見つけたので法務局に事前相談。

(登記研究 505号)
相続による所有権移転の登記申請に添付する相続を証する書面として自筆証書又は秘密証書の遺言書は家庭裁判所の検認を経たものであることを要する。

(登記研究 435号)
遺贈による所有権移転の登記申請を遺言執行者と受遺者が共同でする場合、遺言執行者の資格を証する書面として添付された遺言書に記載された遺言執行者の住所が添付された印鑑証明書の住所と一致しない場合は、その変更を証する書面の添付を必要とする。
※売却時には個人の印鑑証明書が必要であるが、遺言執行者の住所を事務所住所と定めている場合、個人住所と相違するため、個人住所を併記した弁護士会等の資格証明書を別途添付する必要が生じる。

(登記研究 808号)
相続を原因とする所有権の移転の登記の申請において、相続放棄申述受理証明書と同等の内容が記載された 「相続放棄等の申述有無についての照会に対する家庭裁判所からの回答書」や「相続放棄申述受理通知書」を登記原因を証する情報の一部とすることができる。

上記のように、ひとつの案件を取り組むだけで確認することがたくさんあります。
相続手続きでご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

司法書士 軍司嘉清